【サマーセミナーレポート(前編)】SNS総フォロワー数40万人超えロックバンド「CROWN HEAD」がライブ&トークセッション!音楽業界のすべてが学べる特別授業を実施。
歌詞はなくても「夏の夕暮れ」が聴こえる。ユニバーサル ミュージック所属ロックバンド「CROWN HEAD」と、2日間で1曲を制作!(前編)
【目次】
1. 初日のテーマは「IDEA & CREATION」
2. テンポとコードで、夕暮れの輪郭をつくる
3. ドラムは打ち込みで。ニュアンスを決める「ベロシティ」
4. 弾けない楽器があっても、曲はつくれる
5. デモは核だけでいい。装飾は、あとから
6. 自分にないものは、隣の誰かが持っている
7. 「今の皆さんにしか表現できないものがある」
プロのアーティストはどのように楽曲制作を
しているのか?ユニバーサル ミュージック所属ロックバンド「CROWN HEAD」と一緒に、新しい楽曲を制作する参加型2daysワークショップが開催されました。音楽制作ソフト「DAW」の使い方を、実践で解説する貴重な機会です。
CROWN HEADは、Moto(Vo.)、hiroto(Gt.)、Lumel(Ba.&Vo.)、Tasuku(Dr.)からなる日韓混合ツインボーカルロックバンドで、SNS総フォロワー数は45万人超。
事前に伝えられていたテーマは、「夏の夕暮れ」「思い通りにいかないもどかしさ」「将来の不安に寄り添うような楽曲」の3つ。初日・8月8日に密着します。
1. 初日のテーマは「IDEA & CREATION」
「楽曲づくりには、正解も不正解もありません」と、hiroto(Gt.)。その言葉に、緊張していた会場の空気が緩みます。
3つのキーワードからCROWN HEADが組み上げたデモトラック「Summer Orange」が再生されると、受講生からは「夏の夕暮れみたい」「不安げな印象」という声が。歌詞もメロディーもない段階で、キーワードは音だけで伝わっていました。メロディーとは、ボーカルが歌う音の流れ=主旋律のこと。この段階のデモは伴奏のみで、メロディー(トップライン)と歌詞は2日目に作られます。
2. テンポとコードで、夕暮れの輪郭をつくる
hiroto「夕暮れと聞いて、多くの人はゆったりとしたテンポを思い浮かべると思う」
テンポは98BPM、ゆったりとしたミドルテンポの曲調です。
Lumel(Ba.&Vo.)「夕暮れっていうイメージから作っているの?」
hiroto「そうだね。そして、もの悲しい雰囲気というのは、コード進行で決まっていきます。自分はギターを弾くので、だいたいギターから作ってしまいます」
コード進行とは、伴奏となる和音(コード)のつなげ方のこと。今回の土台は、C、G、D、Emというシンプルな4つのコードです。
hiroto「こういう雰囲気にはこういう進行、という型があるんです。初歩は、まずは好きな曲のコード進行を真似ることから始めてみて。メロディーをつけたり、テンポを変えたりするだけで、まったく違う印象になります。自分がいちばんイメージしやすい楽器から作っていいと思います」
3. ドラムは打ち込みで。ニュアンスを決める「ベロシティ」
ギター1本の土台に、ドラムを重ねます。Aメロはギターと歌だけ、サビに向かって少しずつリズムを足していく。ドラムは、パソコン上に音を並べていく「打ち込み」です。ポイントは、音の強弱を意味する「ベロシティ」。hiroto「単に音の大小ではなく、小さく叩いたニュアンス、大きく叩いたニュアンスを再現してくれる点です」。実際にシンバルのベロシティを上げると音は「シャーン」と派手に、下げると「ツツ」と控えめな響きに変わりました。他に、自動でドラムを演奏するLogic Proの「Session Player」という便利な機能も紹介されました。
4. 弾けない楽器があっても、曲はつくれる
ドラムの次はベース。hiroto「最初に入れるときは、ルートだけでもいいと思います」。ルートとはコードのいちばん低い音のこと。Cなら「ド」をずっと鳴らすだけでも、曲の土台になります。
hiroto「ピアノやストリングスも、Logic Proでコード進行を指定すれば、ある程度は土台を作ってくれます。実際に楽器が演奏できなくても、イメージに近いものにできるんです。演奏はせず作曲をしている人も多いです。自分のメイン楽器を大事にしつつ、打ち込む技術をつけるといいと思います」。
一方で、ギターは曲の中で2、3本重ねて、音を広げていきます。
5. デモは核だけでいい。装飾は、あとから
デモに入っているリードフレーズについては、意外な言葉が。hiroto「これで確定ではありません。ここからメロディーが入って変わることも全然あります」。歌が入ってから考え直すのは、制作の現場では珍しくないといいます。
hiroto「最初のトラックを作る時点では、どれだけ核だけを作れるか。装飾はなるべく省きながら、イメージだけ固めていく。そのほうが、曲の形になりやすいと思います。先ほどトランペットを得意とする受講生がいましたが、これだけ仲間がいると、『トランペットを吹いてくれ』と楽器を頼めるのがいいと思う。ギターやベースを入れてほしい、がバンドの始まりになったりします。バンタンミュージックアカデミーは、それがやりやすい環境だと思う」
6. 自分にないものは、隣の誰かが持っている
後半は「CONCEPT & IDEA GENERATION」のグループワークへ。Moto(Vo.)は、「僕はメロディーと詞を一緒に考えるタイプです。夏の夕暮れと言われたときに、まず海が浮かびました。あとは太陽、ひまわり、雨や台風を連想していきます」と作詞のヒントを与えます。
15分間、受講生一人ひとりがテーマから連想するワードを書き出します。
テーブルを回り、一人ひとりの意見を聞きながらアドバイスするCROWN HEADメンバー。Motoはメモをのぞきこみ、「天才じゃん!書け書け~!」と勇気づけます。
チームごとの発表では、Bチーム「スポーツ大会が間近に迫り、負けたら終わりという気持ちを想像しました。はかない気持ちをシャボン玉に込め、夏の夕方の空に飛んでいくイメージです」と発表。ほかにも、Aチームからは、ひぐらし、部活の帰り道というワードが挙がりました。
Cチームからは、茜色、かげろう、ヴァイオリンを入れるアイデアもプレゼンされました。
Tasuku(Dr.)「セミというワードは2チームから出ましたね」、hiroto「セミの声を曲に入れるのもアリです!」。教室から出たワードが、その場で曲のアイデアに変わっていきます。
7. 「今の皆さんにしか表現できないものがある」
約2時間半のセミナーもいよいよ締めくくり。
Tasuku「hirotoが全開だったな、と(笑)。中学生の受講生もいると聞き、皆さん将来有望だと思います」
hiroto「僕がDAWを触ったのは専門学校に入ってからです。感覚を形にしていくとき、大事なのはイメージを持つことです」
Lumel「音楽って、ひとりでできそうだけど、意外とできないものです。今日のようにブレインストーミングしてアイデアを出すのは、とても良い経験になると思います」
Moto「放課後とか部活の帰り道とか、今の皆さんにしか表現できない情景や記憶があると思います」
残すは、メロディーと歌詞。
曲の完成は、2日目「楽曲のブラッシュアップ&レコーディング」に託されます。
【PROFILE】
CROWN HEAD(クラウンヘッド)
Moto(Vo.)、hiroto(Gt.)、Lumel(Ba.&Vo.)、Tasuku(Dr.)からなる日韓混合ツインボーカルロックバンド。2025年3月結成、SNS総フォロワー数は45万人超。ユニバーサル ミュージック所属。