この記事のポイント

・録音・ミックス・マスタリングを通して楽曲を最高の音へ仕上げる役割を担う

・現場では抽象的なオーダーを音へ変換する力が重要になる

・プロを目指すには実践的なセッション経験を重ねることが欠かせない

現代は、パソコン1台でプロ並みの楽曲を作れるDTM全盛の時代です。そのため、今あえてプロのレコーディングエンジニアを目指す意味はあるのかと迷う方も多いのではないでしょうか。

この記事では、現代の音楽業界におけるレコーディングエンジニアの仕事内容から、向いてる人まで解説します。

レコーディングエンジニアとは?

レコーディングエンジニアとは?

レコーディングエンジニアとは、歌手や楽器奏者の演奏を録音し、美しく調和させて1つの楽曲に仕上げる音響の専門職です。音楽制作における音作りすべての責任を負うクリエイターであり、映画やアニメ、ゲームの音声収録も手がけます。

個人で高品質な音楽を作れる現代だからこそ、プロのレコーディングエンジニアの価値は高まっています。計算された音響空間を使いこなす技術、魅力を引き出すディレクション力、そして他者が求める音を正確に具現化する能力が重要です。

レコーディングエンジニアの仕事内容

レコーディングエンジニアの仕事内容

レコーディングエンジニアの仕事は、録音・ミックス・マスタリングという3つのフェーズに分かれています。

録音(トラッキング)

録音の目的は、原音を最も魅力的な状態でデジタル録音ソフト(DAW)に吹き込むことです。レコーディングエンジニアは、アーティストの特性や楽曲ジャンルに合わせてマイクを選定します。その角度や距離を数センチ単位で調整するマイキングは、経験がモノを言う職人技です。

また、アーティストが緊張せずに実力を発揮できるよう、ヘッドホンの音量バランスを整え、前向きな声をかけるディレクション能力も求められます。

ミックス(ミキシング)

ミックスの役割は、録音された何十本ものバラバラな音声トラックを混ぜ合わせ、1つの楽曲として調和させることです。録音直後の音は各楽器が同じ音量感で重なっているため、そのままでは音が濁って聞こえます。そこで各楽器のバランスを取り、左右の配置(定位)を設定して立体的な空間を作り上げます。

さらに、イコライザー(EQ)で不要な周波数を削り、コンプレッサーで音のばらつきを調整し、リバーブなどのエフェクトで世界観を演出します。現代の音楽シーンでは、ミックス次第で楽曲の印象が180度変わることも珍しくありません。

マスタリング

マスタリングは、楽曲制作における最終的なクオリティコントロールであり、音源をメディアへ流通させるための総仕上げです。ミックスが終わった段階では、曲ごとの音量や音質にバラつきがあります。アルバムやプレイリストとして続けて聴いたときに違和感がないよう、全体の質感を均一に整えます。

高級スピーカーからスマートフォンの付属イヤホンまで、あらゆる再生環境で最高の状態になるよう調整を施します。

レコーディングエンジニアに向いてる人

レコーディングエンジニアに向いてる人

ここでは、レコーディングエンジニアに向いてる人を解説します。

抽象的なオーダーを言語化できる人

レコーディングエンジニアに最も必要な適性の一つが、音楽的な言語化能力です。

スタジオの現場では、アーティストから「もっと音が前に飛び出してくるような、抜ける感じにしてほしい」「宇宙を浮遊しているような、切なくてエモい雰囲気にしたい」「今のテイク、悪くないけど全体的になんか硬い気がする」といった、抽象的で感覚的なオーダーが日常的に飛び交います。

アーティストの多くは音響の専門家ではないため、自分の理想をテクニカルな言葉で表現できない場合もあります。そのため、言葉の裏にある本当に求めている感情や空気感を対話から汲み取り、共通イメージとして言語化・整理できるコミュニケーション能力がある人は向いています。

理想を音響技術に反映できる人

アーティストから受け取った抽象的なイメージを、具体的な音響技術や機材の操作へと変換できる人も適性があります。例えば、「抜けるような音」というオーダーに対して、特定の周波数をイコライザーで持ち上げたり、コンプレッサーのアタックタイムを調整して輪郭を立たせたりといったアプローチを施します。

また、理想の音を鳴らすための引き出しが求められます。どのマイクを選び、どう機材を設定し、どのプラグインを使うべきかを見極め、クリエイティブに技術を応用できる人は現場で重宝されます。

地道な作業を好む人

地道で繊細な作業を楽しめる職人気質な人には、レコーディングエンジニアとしての資質があります。

録音が終わった後のデータ編集作業は緻密であり、何十本、時には100本以上もある録音データを1コマずつ波形レベルで確認し、ボーカルの小さなリップノイズを手作業で綺麗に除去したり、楽器のズレをミリ秒単位でグリッドに合わせて修正したりする作業の連続です。

パソコンの画面と何時間も向き合うようなデスクワークが数日間続くことも珍しくありませんが、「神は細部に宿る」という点にやりがいを感じて没頭できる人は、間違いなくこの仕事に向いています。

バンタンミュージックアカデミーが選ばれる理由

ここでは、バンタンミュージックアカデミーが選ばれる理由を解説します。

ユニバーサル ミュージック協力のカリキュラムを使用している

最新トレンドや技術の移り変わりが激しい音楽業界において、過去の教科書ベースの学びでは通用しないことが多々あります。バンタンミュージックアカデミーでは、世界的なレコードレーベル「ユニバーサル ミュージック」の全面協力のもと、現在の業界に直結したカリキュラムを導入しています。

講師を務めるのは、第一線でヒット曲を手掛けている現役のプロエンジニアやプロデューサーです。業界標準であるPro Toolsのオペレーションから、現代のポップスに欠かせないプラグインの高度な編集技術まで、プロが実際に使っている生きた技術をそのまま吸収できます。

産学連携プロジェクトで経験を積める

本アカデミーでは、映画、アニメ、ゲームなど、様々な領域を目指す未来のクリエイターが学内に集まっています。そのため、他学部の映像作品の音響効果を担当したり、ゲーム専攻が制作する作品のレコーディングを任されたりといった、本物の現場を模したセッションを何度も経験できます。

あらかじめ用意された綺麗な音源をパソコン上でミックスするだけの授業とは異なり、常に第三者のオーダーとの真剣勝負です。抽象的なオーダーを技術で形にする経験を繰り返すことで、スタジオ就職後に多くの人がつまづくコミュニケーションの壁を乗り越えられます。

レコーディングエンジニアに関するよくある質問

最後に、よくある質問にお答えします。

未経験や独学からでもプロのスタジオへ就職できますか?

就職自体は不可能ではありませんが、非常に狭き門であるのが現実です。大手のレコーディングスタジオの採用枠は毎年わずか数名程度であることが多く、そこへ全国のスクールや音大の卒業生が一斉に応募してきます。最低限のスキルと現場の作法をスクール等で身につけてから業界に入るほうがよいでしょう。

機材やDAW(Pro Tools等)は最初から高価なものが必要ですか?

これから勉強を始める段階であれば、最初から何十万円もするプロ仕様の高級機材を個人で揃える必要はありません。現代は、数万円の手頃なオーディオインターフェースと標準的なパソコン、無料のDAWソフトであっても、基本的な仕組みを学ぶには十分な環境が整っています。

スタジオ勤務の勤務時間や休日はどのような実態ですか?

スタジオエンジニアの勤務体系は不規則になりがちであり、一般的な会社員とは異なります。スタジオの稼働時間は、予約を入れるアーティストのスケジュールに依存する場合が多いでしょう。

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