【授業レポート】ボン・ジョヴィ、KATSEYE、サブリナ・カーペンター、アリアナ・グランデ、Zedd。洋楽の事例から学ぶ、”本人不在”の音楽マーケティングとは?

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バンタンミュージックアカデミーでは、講師は全員、音楽業界の現役クリエイター。プロフェッショナルから直接学ぶことで、業界で求められる知識とスキルを効率的に身につけます。

今回は、6月に実施された特別授業をダイジェストでレポート。「洋楽の事例から学ぶ、本人不在の音楽マーケティング」をテーマに行われ、選択授業にも関わらず約130名のメンバーが集まりました。授業はクイズアプリ「Kahoot!」を活用し、上位3名には特別ギフトも用意されました。

1. マーケティングは「引く」もの──CASE STUDY 1. ボン・ジョヴィ盆踊り】

冒頭、USM洋楽 マーケティング・ストラテジー部 マネージャーの寺嶋真悟様が、「マーケティングとは何か?」を問いかけました。

寺嶋様「プロモーションは、悪く言えば押し売り。マーケティングは引く=プルなんです。マーケティングが強ければ、メディアが積極的に宣伝してくれてバズり、多くの人に届けることができます。また、最初にお伝えしておくと『曲が良ければ自然と売れる』という魔法は存在しません。曲が良いことは最低条件です。どうやって売ろう、どうやって次を出そうと、裏方もアーティストも、真剣に考えています」

具体例として挙げたのが、ロックバンドのボン・ジョヴィです。

2024年、約4年ぶりのアルバム『Forever』をリリースするにあたり、担当チームは日本記念日協会に「ボン・ジョヴィの日」(521日)を申請し認定されました。ロンドンでの1時間の稼働で、なかやまきんに君さんへのメッセージ動画を撮影。さらに「中野駅前大盆踊り大会」での盆ジョヴィイベントを仕掛け、中野駅に広告を出稿しました。会場では中野区役所のモニターでも楽曲が流れました。

寺嶋様「行政や市区町村に紹介されると、普通のプロモーションでは届かない人たちにも届けることができます。これは、非常に良い機会なんです!」

同イベントには約3万人が来場し大きな反響をもたらしました。

Q.クイズ 1日に世界でアップされる新曲数は? 

正解は……10万曲(!)

寺嶋様「毎年3,650万曲。13分でも、24時間寝ずに聴いて208年かかります。Spotifyには2億曲ありますが、その87%は一度も聴かれていません」

続いて、音楽会社の役割についても解説しました。

寺嶋様「作曲家、アーティストを見つけるA&R、マネージャー、法務……個人的に数えてみたのですが、約183個もの部署が存在していて、日々アーティストたちを支えています」

2. 来日は最大のチャンス──CASE STUDY 2. KATSEYE6日間】

後半は、来日タイミングのマーケティングをテーマに、Universal International マーケティング部の阿佐美悠一様が登壇しました。約15組のアーティストを担当しています。

阿佐美様「洋楽チームではマーケティング担当イコール、アーティスト担当。日本での売り方や方向性を定めるプロジェクトリーダーであり、指令塔です。つまり、日本で一番そのアーティストに詳しくなければいけない。海外のレーベルや事務所と対峙しながら、社内の各チームとも調整していきます」

来日事例として挙げたのが、グローバルグループのKATSEYE(キャッツアイ)です。6日間の来日では、メンバー6名に多数の海外スタッフを加えたチームKATSEYEを引率。1日目はプロモーションミーティング、2日目はテレビ収録とハイタッチイベント、3日目は音楽番組への出演を組みました。

【クイズ/来日後、新曲「Touch」のストリーミングは何%上昇した?】

正解は35

Universal Music洋楽部門の楽曲で週間1位を獲得、Xでのメンション数は38倍となりました。

阿佐美様「来日公演で何万人を集めるアーティストでも、ストリーミング数が10%も上がらないことがあります。デビューから3カ月目の新人で約35%は、かなり大きな数字です」

3. 本人不在の4ステップとは?──CASE STUDY 3. サブリナ・カーペンターの認知度向上】

続いて、Universal International デジタル部 デジタル・プロモーショングループの佐々木花帆様が解説。事例はサブリナ・カーペンター。

佐々木様「最後の来日は2023年です。本人がいないと、取材もできない、歌番組にも出せない、ラジオにも出られない。それでも曲は出るし、プロモーションしなければなりません」

「あなたがサブリナ・カーペンターの担当ならどんなプロモーションをしますか?」という自由回答のお題には、「インフルエンサーとコラボ!」「水着を発売する」「青年誌でモデル」など、メンバーからさまざまなアイデアが寄せられました。

「皆さんからいただいたアイデア、参考にさせていただきます!」と笑顔を見せる佐々木様。

施策は「見つける・触れる・参加する・広げる」の4段階で整理。渋谷モディ1階にポップアップストアを展開し、MV上映とフォトスポットでアルバムの世界観を再現。メディア向けオープニングイベントには、人気芸人さんを起用。

佐々木様「インパクトのある絵が撮れないと、テレビでの露出はなかなか難しいです。どんなゲストを呼べば取材に来てくれるか、戦略を練りに練りました」

楽曲「Tears」は、人気インフルエンサーさんなどが独自の言葉で解説しました。

佐々木様「噛み砕いて自身の言葉で紹介してもらうことで、理解が深まり、楽しさが伝わります」

その結果、アーティストの認知度は全世代で上昇し、中でも10代の認知度が10pt以上と著しく上昇しました。

4. “好きを転がし続ける──HIKAKIN×Zedd12年】

最後に、Universal International デジタル部 マネージャーの中村樹様が、自身の経験を紹介。2011年にHIKAKINさんのビートボックス動画に注目し、いつかコラボしたいと考えていたそうです。念願叶い、20142月に、担当するアリアナ・グランデとHIKAKINさんのコラボが実現。ここで問題です!

■HIKAKINさん×アリアナ・グランデのコラボ動画の、現在の再生回数は? 

正解は……1100万回!

『ベイビー・アイ』をアカペラで歌うアリアナに、HIKAKINさんがビートボックスを重ね、約1100万回再生という大反響を呼びました。さらに約10か月後には、第2弾「ブレイク・フリー feat. Zedd」のコラボ動画も実現。この好きから始まった縁は、2026年のHIKAKINさん×Zeddの本人コラボへとつながっています。

中村様「学生時代に個人的に好きだったものを企画として実現し、転がし続けたら、大きくなっていました。好きは仕事でもすごく大事です。それが将来に影響を与えてくれます」

5. メンバーからの質問】

――まだあまり人気のないアーティストの場合、どのように施策を考えるのですか?

阿佐美様「中には、グローバルスーパースターになりきれていないアーティストもいます。担当者に愛があることが大事です。例えば、来日公演を行うプロモーターさんと一緒にタッチポイントを増やすなど、佐々木様が紹介した『見つける・触れる・参加する・広げる』施策を実践します」

――自分は留学もしていて、語学力に自信があります。戦力になりますか?

佐々木様「中途で入る場合は、英語が少しできるだけでは戦力になりづらいかもしれません。例えば『SNSがとても得意です』といった、もう一つの強みがあると心強いですね」とアドバイス。

2時間にわたる特別授業。前半・後半それぞれのクイズ上位3名には、貴重なアーティストTシャツのギフトが贈られました!

バンタンミュージックアカデミーでは、音楽制作だけでなく、マーケティング、プロモーション、配信、著作権の扱いまでを現役プロフェッショナルから包括的に学び、即戦力として活躍できる人材を育成します。

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